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時は西暦2075年9月11日・・・・・・・
「HappyBirthday、ジョン」と叫び、
私は泳ぐようにISS(国際宇宙ステーション)の時空軸研究室に入った。
彼の36才のハッピーバースデー!!
ジョンのISSでのミッションは宇宙空間時間軸のゆがみの研究と探究、
私はそのISSに補給物資を運ぶ宇宙飛行士「シマじい」二人は親友。
そして彼のミッションは2年にも及ぶ長期滞在を余議なくされていたのである。
ミッション開始から約1年が経過、いつも彼の気がかりは地球に残して来た
1歳になる息子ケビンとそれを一人で育てる愛妻みゆき、
特にケビンの場合は生まれた時からT型小児糖尿病で
インスリン注射なしには生きては行けない体。
それに彼ら夫婦は共に両親もなく、頼れる親戚も近くにいない境遇にある。
加え彼、ジョンの滞在するISSは時間軸の研究の為、ブラックホールにより近く、
地球との交信が150時間にわずか1時間という過酷な位置に在る状況化、
家族との連絡は2か月に一度、私が運ぶ1本のビデオレターのみと言う
時代遅れもはだはだし手段のみでありました。
そしてそれをジョンはいつも心待ちにして来ました。
「シマじい、今日は二人で誕生パーティだな」
といつもより明るく私に言いました。
されど彼の心の中は手に取るように分かるのでした。
「ほら、いつもの贈り物だよ。ありがたく受け取れよ」
とお決まりの会話。
それまでのビデオレターではみゆきのメッセージとケビンの歩き始めた様子、
笑い顔、泣き顔などの成長過程の映像などでありましたが、
今回は少し違っていたようです。
ビデオのはじめの方はいつもの様にみゆきとケビンが楽しく遊ぶ姿が、
そしてその後、何とケビンが自分自身の片言の言葉で話し始めたのです。
「はッぴーバすでーパぱ! ケビンぱパにあいたいよ!」でした。
ジョンも小さな声で「パパもだよケビン」と一言呟きました。
その後みゆきからのメッセージが、
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